脳深部刺激療法

パーキンソン病や様々な原因の手の震え、異常な運動などに対する定位脳手術は50年以上の歴史を持つ治療法で、これらの病気の人たちの苦しみを和ら げてきました。症状の原因となっている脳の特定の場所を正確にとらえ、そこを数ミリの範囲だけ熱を加えて壊すことで症状は驚くほど良くなってしまいます。最近では、いくら悪い場所だからといって脳を壊してしまうのは合併症などの問題も起こりやすくなるので、ここに細い電極を入れて電気刺激を加えることで壊 さずに壊したのと同じ効果を得る、脳深部刺激療法が世界的に主流となっています。

この治療法は、パーキンソン病の手足が震える「振戦」、筋肉の動きが硬くなる「固縮」、動作がゆっくりとなったり動けなくなる「寡動・無動」、歩き 出そうと思っても足がなかなか前に出せなくなる「すくみ足」といったパーキンソン病特有の症状の他、長期間薬を使ってきた場合におこる、薬の効果時間がだ んだん短くなって服薬後一定時間で効き目が切れてきてしまう「ウェアリングオフ」や、突然に薬の効果が切れて動けなるなる「オン・オフ現象」、薬が効いて いる時間に体が勝手に落ちつきなく動いてしまう「ジスキネジア」などにも効果があります。この治療により薬を減らすことができる人もいますし、症状が進行 しても外から電気刺激の条件を調節して効果を高めることが可能で、脳に熱をかけて壊したりしないため手術の安全性も高く、比較的高齢の方でも手術が可能です(当院での最高齢は76歳です)。

体の中に刺激の電気を発生させる機械を入れるため、「ロボットになったみたいでいやだ」、と言う方もいらっしゃいます が、この治療の効果はかなり高く、歩くのに杖や介助が必要だった人が独りで歩けるようになったり、車椅子でしか動けなかった人が歩けるようになったりと、 運動能力の1ランクアップが期待できます。特に症状が進行して薬では十分な効果が得られなくなったり、薬の副作用のため十分な効果が出るくらいまで薬を増 やせないといったことでお悩みの方は是非一度ご相談下さい。

脳深部刺激療法
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